アーノルド&サンは、深い色合いのアベンチュリンで空の壮大さを表現する「ルナマグナ」のプラチナケースモデルを発表した。マザー オブ パールの文字盤上で、ブルーアベンチュリンとグレーの大理石で作られた月の球体に変化する、光の戯れを映し出している。
今回発表された「ルナマグナ プラチナ」は、アーノルド&サンの中でも詩情的な作風を感じ取ることができる「ルナマグナ」コレクションの最新モデルである。
ルナマグナは腕時計に組み込まれたものでは、最も大きく壮大な立体ムーンフェイズ表示を持つ。ウブロ HUBLOT 時計ポリッシュ仕上げのプラチナ950製のケースには、サテン仕上げのリングにホワイトマザー オブ パールの時・分サブダイアルが配され、刻々と変化する反射光の中で、新たな月のサイクルが生まれる。
立体となった月がケースの中にごく自然に収まっていること自体が見るものに驚きを与え、プラチナの滑らかで控えめな輝きと重量感が荘厳さを持たせている。アベンチュリンにセットされたメタリッククリスタルは、その輝きで文字盤に命を吹き込んでいる。
この月の直径は12mmで、半分はグレーの大理石、残り半分はアベンチュリンでできており、月の二面性を反映している。独自のムーンフェイズコンプリケーションによって導かれる、光の動き=キアロスクーロ(イタリア語で明暗を示す)はルナマグナ プラチナを生き生きとさせ、絶え間なく変化する様子を見せる作品となっている。
アーノルド&サンのセールスマネージャーを務めるフランソワ・ピッチ氏はアーノルド&サンのウォッチメイキングを次のように語っている。
「デザインの対称性を保つこと、中の機械を見せること、文字盤を立体的にすること、スケルトンにすること、これらの要素を持つことで“メカニカルポエトリー”な作品ができる」
文字盤にはアーノルド&サンのロゴ、12個のローマ数字を拝した目盛付き文字盤上に時分が表示される。ルナマグナ プラチナのエレガントなコンプリケーションにマッチした繊細なクラス感はマザーオブパールが持つ輝きによるものもあるだろう。
美しく個性を放つデザイン性を持つルナマグナであるが、ムーブメントの高い性能も併せ持つ。アーノルド&サンが開発・製造したキャリバーA&S1021が搭載されている。この新しい手巻きムーブメントは月の球体を中心に設計されており、約90時間のパワーリザーブと2万1600振動/時で動作する調速機を備えている。ケースの裏側には月齢を調整するためのセカンダリディスプレイも備えている。
アーノルド&サンの時計作りの真の強みとして、各モデルの専用ムーブメントを自社で開発できるため、直径や厚さ、輪列配置などムーブメントの造形に時計のデザインが制約を受けない“デザインありき”の設計が可能ということが挙げられる。
しかし、デザインだけが最優先される項目ではないことは、この壮大な月の高精度で明らかだろう。実際、月の周期は29日12時間44分2.8秒である。アーノルド&サンは、ムーブメントが天体から読み取れる正しい表示が122年でわずか1日しかずれないように再現することに成功している。ルナマグナ プラチナのムーンフェイズ機能はリュウズで直接調整できるため、修正も簡単だ。アーノルド&サンが時計製造のプロセスを完全にマスターしているからこそ可能となった実用的な機能だと言える。
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