Speak Off the Cuff ! | EXTREME TEH DOJO

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馬の耳に念仏

2013.05.01(水)

第13回 パブロック革命~知ったことか

プロトパンク~パンクへとまっすぐにつながっているはずなのに、何故かイギリスを経由して、またアメリカに戻るという奇妙な経験をしてしまった。

Dr. Feelgood
ファイル 19-1.jpg

不敵な面構えの4人

『Down By The Jetty』Front ファイル 19-2.jpg

『Down By The Jetty』Back ファイル 19-3.jpg

細かい情報満載
Dr. Feelgoodがラジオでかかった。「I Don't Mind」だったと思う。
シンプルでイカす。何しろ曲が短い。
"このバンドいいよ!"って思っていたら、次の週に「She Does It Right」を聴いてしまった。
スネアの音が脳天一発直撃。
イントロのギターのカッティングで身体が無条件反射。
こころウキウキ、足下ガクガクって言う感じ。
凶暴というか獣がうなっているような声のヴォーカルが入ると思考停止。

"ワルそう。"

地元のレコード屋に行っても、売っていなくて、何となく立ち寄った古本屋で、ラジオで聞いた2曲が入ったアルバム『Down By The Jetty』を確保。
大貫憲章さんが書いた解説を記憶するように読みながら、裏ジャケットに記された情報をむさぼるように確認して、ヘッドフォン最大音量で、一日一回は聴くことが日課となった。
このレコード以外は全く聞き耳持たず、という状態だ。

なぜ、そこまで入れ込んでしまったのか?
理由はハッキリしている。明快な音楽だったからだ。先ず、曲が簡潔にして明瞭。
バンドの演奏も、本来あるべき基本的な技術だけを提示している。
長ったらしいギターソロや、難解なリズムの変化は無し。
ロックンロールを聴いて踊るような感覚。
あれもこれも欲しいのではなく、ズバッ!と必要なもの以外は一切斬り捨て、必要最低限のものを、最大の魅力あるものとして表現している。
独特なギターのカッティング、タイトで引き締まったドラムとベース、ワイルドなヴォーカル。
文字にすると当たり前のことが、音の塊として出て来た訳だ。
初めて聴いた時に思ったのは、ブリティシュ・ビートのアニマルズやキンクスやローリング・ストーンズみたいだなあと。
でも、シンプルな音に驚いていた。何しろ、MONOなんだ。
解説を読んで、ロビン・トロワー(プロコル・ハルムのギター)とバンド組もうとしていたのに”ジミ・ヘンドリックスじゃないんだ”と不思議に思った。
後に徹底的に聴くことになる、The Piratesのミック・グリーンはまだ知らなかったので、ウィルコ・ジョンソンのギター・スタイルが斬新に感じたものだ。
Dr. Feelgoodのことを書くと、どうしてもギターの話になってしまうが、個人的には、リー・ブリローの声で虜にされた。
ロバート・プラントのような金切り声でもなく、ジョン・アンダーソンのような緩やかな声でもない。
イアン・アンダーソンやピーター・ゲイブリエルのようなイギリス的な幻想感もない。
ぶっきらぼうで直情的な声。のどで歌うのではなく、腹から力を絞り出して来るような声に、ノックアウトされた。
見てはいけないものを見てしまったような気分。
写真でしか見たことのない、煉瓦で出来たイギリスの路地裏に連れて行かれたかのような感じ。

Dingwallsで記念写真
ファイル 19-4.jpg

Dingwalls(火事になる前)料理も美味かった。

ロンドン マーキークラブのライブ ファイル 19-5.jpg


90 Wardour StreetといえばMARQEE
ファイル 19-6.jpg

(現在は、安くて美味い料理店に変わっている)
"Live at Dingwall's Dance Hall, Camden Lock, recorded on The Pye Mobile. July 8th 1974"のクレジットから、妄想するライブ風景。

"怖そう"。

目つき悪いよなあ、腕っ節が強いんだろうなあとか、音とは関係ないところに強い興味を持っていかれた。
大貫さんは解説で
雰囲気だ、イメージなのだ。
彼らを伝える記事には常にイメージという言葉がつきまとう。
すなわちフィールグッドはテクノロジーではなく彼らの存在そのものが発する一種のテレパシーにたいなものによってぼくらを魅了するのだ。
演奏のうまいへたといった次元でフィールグッドをとらえるのは、まるでピント外れというものだろう。
"その上"あまりにもうまくなりすぎて、面白味のうすれた現在のロック・バンドに対する、これは強力なアンチ・テーゼなのである。
と正鵠な指摘をしている。

この、ステレオ録音されたモノラルのLPを聴き漁っていなかったら、この直後に出会うニューヨーク・パンクに対する印象も違っていただろうし、ロンドンから出てくるパンクの接し方も違っていただろう。

同じ時期に、ニューヨークでもこのレコードを聴いていた連中がいた。
ブロンディのベース、ギャリー・ヴァレンタインの話によれば、ドラマーのクレム・バークがロンドン旅行でDr. Feelgoodのレコードを手に入れ、友達を自宅に招いて聴かせていたのだ。
(パブロック革命より)

世界の西と東で同じものを聴いていたなんて、びっくりしちゃう。

出合いというのは、不思議なほど正しい時間と正しい場所に現れる。
そういうもんなんだ。

CREDIT: TAYLOW / the原爆オナニーズ

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