ラモーンズの激情 表
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WE ARE PUNK GENERATION
ラモーンズの激情 裏
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ジーンズとレコードが当たる!!
超短髪のSex Pistols
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寝癖が格好良い
Max's Kansas City
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ニューヨークの新しいロック・シーン
1976年、台風シーズンに日本上陸したパンク。ファイル 23-1.jpg
WE ARE PUNK GENERATION
ラモーンズの激情 裏
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ジーンズとレコードが当たる!!
超短髪のSex Pistols
ファイル 23-3.jpg
寝癖が格好良い
Max's Kansas City
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ニューヨークの新しいロック・シーン
この時、パンクといえばニューヨーク・アンダーグラウンドを指すものだった。
『ラモーンズの激情』の解説で
「都会のスラムに生きる若者たちの生態をみごとに浮きぼりにしている」
と書いてあるのを読み、こういったロックが流行っているんだと思っていた。まだ、TelevisionもBlondieも写真だけで、音は知らなかった。
イギリスのパンクは、ストレートで激しいパブ・ロックのDr.FeelgoodとEddie & The Hot Rodsが伝わっていたくらいで、正直なところ実態が分からなかった。
今では、パンク入門でみんな知っている、マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドの名前は、全く知らなかった。
それどころか、Sex Pistolsにしても、”名前が凄い”といった程度で、音も姿も知らなかった。
髪の毛を短くツンツンにして、安全ピンとチェーンを服に付けているなんて、想像すらしていなかった。
友達が持ってきた雑誌(多分”ロック・マガジン”)で、初めてSex Pistolsの写真を見たときの衝撃はあまりにも大きかった。
音楽とかじゃなく、パンクに直行しないといけないと、とっさに思ったものだ。
単なるロックの一部ジャンルではなく、何か得体は分からないけど”これしかないぜ!”と、写真を見た瞬間に感じ取った。
おそらく、ここで多くのロック・ファンと決別したと思う。
プログレだとか、ハード・ロックだとかは、”もういいや”っていう気分だった。
ロックじゃなくて、パンクに夢中になることにした。
記憶が曖昧なのだが、1977年の年明けには意識していたと思う。
冬は”目指せRamones”で長髪だったが、春休み明けに電車に乗った時、超短髪で友達に驚かれたから。
パンクに突入するのは、前に書いたように、間章と大貫憲章の熱い文章に依るところも大きい。
そして決定的なのは、キング・レコードから出た、『マクシス・カンサス・シティ:ニューヨークの新しいロック・シーン』を聴いてしまったからだ。
Wayne Countyの醒めた感覚。Pere Ubuの底なし感。Suicideの冷たい狂気。
それまで聴いていたロックに無い、夢と希望を捨てた、絶望的な音。
へたくそだけど魅力的な、素っ裸な音。
音と同じく、解説書の中で岡田英明が書いている内容に驚いた。
「そこには音楽であるというよりも、自分たちのイメージを追って、つまり及ばぬながらも、目標に向けて走ろうとする姿勢そのものが音を形造っている部分がある。時にはそのために、音そのものが歪められ、誇張されていく。
しかも下手くそに。
そいつを自分自身のものとして感じられるか、感じられないか。」
この解説を読んで、パンクがなぜ魅力的なのか、初めて解った様な気がした。しかも下手くそに。
そいつを自分自身のものとして感じられるか、感じられないか。」
何かのまねをするのではなく、自分をどのように表現するか。
それがパンクだと思った。
だから、バンドをやる必要も無い。
文を書いたりすることだってパンクだし、イラストを描くこともパンクだと思った。
そしてファッションも。
そして、遂にSex Pistolsがラジオから流れた。
大貫憲章さんがDJのNHKラジオ第一、土曜日の夜”若いこだま”で。
曲は「Anarchy In The UK」。
EMIのシングルではなく『SPUNK』バージョン。
今でも録音したカセットテープは自宅のどこかにある。
ほぼ同じ時期に、オムニバスの『Live At CBGB'S』、Television『Marquee Moon』、Blondie、Patti Smith Group『Radio Ethiopia』、Flamin' Groovies『Shake Some Action』、Ramones『Leave Home』を聴いたことも、パンクを理解することに役立ったと思う。
何しろ、音楽的なスタイルだけじゃなく、ファッションも全部違っていたから。
1977年春先になると、Sex Pistolsの話題が、少しずつ日本に入ってきていた。
EMIをクビになった。
Peter FramptonやRick Wakemanの横やりでA&Mをクビになった、といった具合で。
超短髪な私は、寝癖がどうやればつくのか、石けんで髪の毛を洗う都度考えていた。
CREDIT: TAYLOW / the原爆オナニーズ