Speak Off the Cuff ! | EXTREME TEH DOJO

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馬の耳に念仏

2014.03.06(木)

第23回 ”サタデー・ナイト・ポゴ”

1978年と言えば、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンの”サタデー・ナイト・フィーバー”だ。
音楽は、ビー・ジーズの「ステイン・アライブ」で、ディスコに行って、皆で同じステップを踏んでいた。
流行のファッションは、サーファールック。
ある日、友達と話をしていたら、サーファーの友達が、
”パンクにはまっているんだろう?”って訊くから”もちろん”て答えると、”今度聴かせてくれよ”って言うじゃないか。
なんで?って思っていると、彼が”アメリカのプロ・サーファーは今パンクを聴いているらしいんだ”って教えてくれた。
なんでも、”パンクが波に合う”ということだった。
彼のリクエストしてきたのは、RAMONESじゃなくてElvis Costelloだった。

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The Dickies:今も活躍中
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The Dickies / Paranoid

今までアメリカ東海岸とイギリスを中心に話を進めて来たが、遂にアメリカ西海岸だ。

アメリカ西海岸のパンクと云えば、すぐにDead KennedysやBlack Flagって連想する人が多いと思うけど、彼らが登場するちょっと前の話だ。

78年夏にイギリス経由で知ったのはBlack Sabbathの「Paranoid」をやっているThe Dickiesだ。
ハードロックを馬鹿にしたような軽くて速いところに共感したものだ。

イギリス経由でなく現地からダイレクトに入って来たもので考えると、最初に手に出来たのは『Saturday Night Pogo』っていう、ディスコを馬鹿にしたようなアルバム。
副題は"A Collection Of Los Angels New Wave Bands"。
リリースしたのは、Temple City Kazoo OrchestraやWild Man Fisherといった一癖ある音楽をやる人ばかりを出していた、ロサンジェルスの”Rhino”レコード。
余談になるが、このアルバムはバーゲンの箱に必ず入っていた事をよく覚えている。
収録されているのは、新進気鋭のThe Motels、Angry Samoansの前身バンドのVOM、カルフォルニアのThe Clashと言われていたThe Dilsといったところから、グラム残党って言う感じのBerlin BratsやDaddy Maxfield、The Winosもあれば、おふざけパンクっていう感じのThe Low NumbersやHebe Geebeesまで雑多だ。

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SATURDAY NIGHT POGO
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The Motels:いかにもNew Wave
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The Dils:カルフォルニアのThe Clashと言われていた

次にRhinoがリリースしたオムニバス・アルバムが『L.A.IN』っていうタイトルで、ここにはOingo BongoやSurf Punksが入っていた。
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L.A.I N
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Oingo Boingo:大所帯
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Surf Punks:My Beach Go Away!


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The Weirdos:パンクそのもの
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THE BEST OF BOMP! VOLUME ONE

Rhinoだけがパンクを出していた訳じゃなくて、Bompもリリースしていた。
Bompと云うと、やっぱりFlamin' GrooviesとIGGY POPだ。
IGGYつながりで、いろいろ知る事になった。
「I Got A Right」を聴きたくて手に入れた『The Best Of Bomp! Volume One』で、後にパワーポップ系のバンドとして有名になる20/20やThe Shoesを知り、LAのパンク・バンドのThe WeidorsやThe Zerosの存在もここで知った。
他にボストンのDMZとWilly Alexander & The Boon Boon Bandといった具合に、アメリカには多くのバンドが存在する事が分かって来た。
スパークスをパンクにしたみたいなVenus And The RazorbladesやSnatchを知ったのも、このアルバムだ。

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Paul Collins:元The Nervesのドラマー
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WAVES

次にBompがリリースしたのは『Waves』。
副題は”An Anthology Of New Music Vol.1 January 1979”だ。
何となくDevoを連想させるようなジャケットに、青色のマーブルのレコード盤と、パンクロックに注目している人にアピールしている。
個人的にはこのアルバムで、The Humam SwitchboadとBlitzkreig Bop(彼らはスコットランドだけど)を知った事が一番大きい。
もっともこのアルバムはパワーポップ系のバンドが多く収録されていて、とびっきり格好良いPual Collinsの「Walk Out Of Love」や、ラズベリーズも真っ青な甘酸っぱいThe Flashcubesの「Christi Girl」なんかはよく聴き返したものだ。
他にも20/20、The Romanticsと直後にメジャーでヒットするバンドが入っている。

1979年の夏にThe Knackが「マイ・シャローナ」を大ヒットさせたので、いきなりアメリカ西海岸のパワーポップ系バンドが注目されるようになったのだが、業界歴の長いミュージシャンによるSVTのようなバンド情報が多かった。
もっとも、SVTの情報と一緒に、同じ415レコードに所属していたサン・フランシスコのOFFSやThe Nunsの存在を知る事が出来たので、有り難かった。

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OFFS
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THE NUNS
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The Nuns:真ん中の女性ジェニファーは2012年12月に亡くなった

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SEARCH & DESTROY MAGAZINE
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SLASH MAGAZINE

この当時、日本にアメリカ西海岸のバンド情報はほとんど無くて、輸入レコード店でリリース・タイトルを見て、バンド名がNew Waveぽいものを当てずっぽうに入れてもらっていたのだが、9割外れっていう調子だった。
今のように、ジャンルが細かく分かれている訳じゃないので、Punk/New Waveとそうじゃないものっていうような区分しかなかった。
時間がほんの少し経つと、SlashやSearch And Destroyといったファンジンの存在をイギリス経由で知るのだが、実際に見る事が出来たのは80年頃だった。
バンド単位で最初に聴いたのは、Flamin' GroovieとThe Runawaysだけど、パンクを意識して聴いたのはThe Dickies『The Incredible Shrinking Dickies』が最初で、次がVenus And The Razorbladesの『Songs From The Sunshine Jungle』だ。
彼らを知ったら、同じようなバンドとしてThe Quickがいる事を知り『Mondo Deco』を手に入れた。
このふたつのバンドはThe Dickiesのアルバムと同じような色合いがあるので、3枚一緒に聴くと面白いと思う。
THE DICKIES
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INCREDIBLE SHRINKING DICKIES
VENUS AND THE RAZORBLADES
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SONGS FROM THE SUNSHINE JUNGLE
Venus And The Razorblades
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一瞬The Runawaysと間違えそう
THE QUICK
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MONDO DECO

Middle Class
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超高速Punk
MIDDLE CLASS
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OUT OF VOGUE

まだ情報が少ない時期に、雑誌ZOOのシングル紹介でMiddle Classを知り「Out Of Vougue」を聴いた。
今まで知っていた西海岸パンクとは全く別物の、むき出しのスピード感覚にビックリ!
この頃、毎日聴いていたのはPiL『Metal Box』とThe Contortions『Buy』だったから、その衝撃の程は想像がつくと思う。
Middle ClassつながりでDead Kennedysを知る事になり、続いてXをという具合に次々とシングルしか出していないバンドの存在が分かって来たのは、1979年末のことだった。
1980年になると分かってくる、アメリカ西海岸にもDangerhouseやWhatといったレーベルがあることやGermsやBlack Flagといったバンドを、この時点ではまだ知らなかった。

続きは、またの機会で。
CREDIT: TAYLOW / the原爆オナニーズ

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