MLBのテキサス・レンジャースか?NFLのダラス・カーボーイズか?それとも、NBAのヒューストン・ロケッツか?
まあ。学校で習った”日本の国土並みに広い州”っていうところかな。
広大な土地に、カーボーイのイメージだよね。
何れにしても、あまりロックなイメージって無いと思う。
だが、テキサスはロックバンドの宝庫なのだ。
なんたって、筆頭はZZ TOPだよ。
13th Floor Elevators、Red Crayolaだっている。
パンクなら、D.R.I.やThe Dicks、MDC、Big Boysが、すぐにあがってくると思う。
今回は、我が最愛のバンドOffendersの紹介だ。
まあ、騙されたと思ってYou Tubeで「I Hate Mayself」のシングル・ヴァージョンを聞いてみて下さい。
いきなり、”回転数間違えたでしょう”って突っ込みたくなるような、高速回転のチェーンソーみたいな、ギターのつんざく音。
ベースとドラムスが、爆弾を空から直下するように”ズドーン”と落ちてくる。
それも、地面をしらみつぶしに叩き付けるような感じだ。
イントロ10秒で、完全にノックアウト!
そこに、ボーカルが短いセンテンスで矢継ぎ早に暴力的に入ってくる。
そしてこの曲の醍醐味は、中間の演奏にある。
Mikeyのゴリゴリした音なのに、柔軟なイメージ溢れるJack BruceやLemmyのようなベースのフレーズに、TonyのPiLやThe Stoogesを思い出させるような硬質なギターワークが重なる。
ブッチ切りのハードコア・パンクなのに、Patのドラムを含め、質感はオルタナティブなロックそのものなのだ。
これこそ、アメリカン・ハードコア・パンクロックの魅力が凝縮された一曲と言い切ってしまおう。
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We Must Rebel
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Endless Struggle
フライヤー
Minor Threat & Big Boys
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Dead Kennedys & B.G.K
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Code Of Honor
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さて、曲を聴いてもらったと思うので、Offendersのことを簡単にふれてみよう。We Must Rebel
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Endless Struggle
フライヤー
Minor Threat & Big Boys
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Dead Kennedys & B.G.K
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Code Of Honor
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結成は1978年、当初のメンバーはMikey Donaldson(B)、Tony Johnson(G)、Pat Doyle(Dr)の3人。
ヴォーカルが決まらなくて、Mick Buckがやっていた。
1980年になると、オースティンに移動して、Raul Club等で活動していた。
その頃は、The ClashやBuzzcocksのような、ブリティッシュ・パンクの影響下にある音を出していたようだ。
次第にBad Brains、Circle Jerks、DOA、Dead Kennedysのような速いハードコアを目指すようになり、1982年にヴォーカルがそれまで経験の無いJ.J. Jacobsonに替わり、レコードに残っているメンバーになった。
このメンバーで、1stアルバム『We Must Rebel』を1983年7月にリリース。
次いで、1984年にシングル「I Hate Myself/Bad Times」をリリース。
ツアーもDie KreuzenやMDC、Corrosion Of Conformityと行っている。
いろいろなコンピにも参加していて、『Cottage Cheese From The Lips Of death』に「Fight Back」、『Metal Moo Cow』に「Fed Up」、『P.E.A.C.E』に「Face In The Dirt」といった具合だ。
そして、1985年6月にセカンドアルバム『Endless Struggle』をリリース。
この頃、ベースのMikeyがMDCのツアーに参加したりしている。
バンドの終焉は、Mikeyがサンフランシスコに移ることになり、1986年8月にテキサスで行われた”Woodshock Festival”でのライブだった。
その後、多くのバンドと同じように、2002年に再結成をしている。
しかし、Mikeyが2007年9月に亡くなり、Tonyも2012年5月に亡くなっている。
現在、OffendersはJ.JとPatの二人に、BuzzcrusherのJeff Martin (G) とWorld Burns to DeathのCraig Merritt (B)を加えた編成で活動を続けている。
なんで、Offendersなのかといえば、彼らのアルバムがアナログで再発されたからだ。
リリースは、DojoのファンにはおなじみのSouthern Lord。
もうこれだけで、情報を流さない訳にはいかないです。
現在進行形のロックの最先端を突っ走るレーベルが、過去の作品を出すなんて何らかの意図があるはずだ。
それも、テキサスのOffendersだ。
ハードコアなパンクにあまり好意的じゃない”Pichfork”が8点超えの評価をし、イギリスの”Record Collector Magazine”も4つ星の評価だ。
これは事件と言っていいでしょう。
残念ながら日本では無名に近いバンドなので、入手しやすい今のうちにゲットして、アメリカン・ハードコア・パンクの神髄に触れてみて下さい。
本当に、このバンドは、マストです!
CREDIT: TAYLOW / the原爆オナニーズ