今回は、少しだけ特別な気分。
だって、2014年はRAMONESが1974年に結成して40年になるんだから。
それなのに、2014年7月にTommyが亡くなって、RAMONESのオリジナルメンバー4人は、この世にいなくなってしまった。
なんとなく感傷的な気分が重石をかけているのだ。
その気持ちを汲んでか、日本のラモーンズ・ファンがCJ ラモーンの日本公演を実現させてくれた。
CJ ラモーンは言うまでもなくDee Deeの後任者だ。
ものすごく複雑な気分で観に行った、1990年のRAMONESのライブで、こちらの余計な思惑を振り払って、いつも通りのRAMONESを見せつけてくれた彼が、またしても、余計なことを考えてしまう暇を与えないように、ライブで『ラモーンズの激情』を完全再現するのだ。
少しだけ開演時間をすぎて入っていくと、大好きなXero Fictionがポップ・パンクを熱演していた。
相変わらず、ハルカはクールに、コウイチロウはいつも通り汗を流していた。
Xero Fictionが終わって休んでいると、DJのカッチンが「Mr.Moto」をかけている。
”?!”って思っていた。
実はこの一曲、この日の私の気持ちを持ち上げるのに最高の選曲だったのです。
なぜならば、私が最初に買ったラモーンズのシングル「パンク天国」で、”うるさくて、速い”ラモーンズがやる「California Sun」のライブを聴いて、カルフォルニアのサーフ・ロックもラモーンズのルーツの一部と知ったのだ。
だから、サーフ・ロックの名曲がかかって、ご機嫌な気分になったのだ。
あれこれしているうちに、CJとメンバーが登場。
会場内は、盛り上がって来ている。”Hey Ho Let's Go ! ”
”いやあ、本当に『ラモーンズの激情』が今から再現されるんだ!”
そう思うと、少し冷静になろうと努力をしてしまう。
個人的には、じっくり楽しむつもりで会場に行ったのだが、ライブが始まると頭が言うことをきかない。
「電撃バップ」の時は、DJブースの前で、少しおとなしく見ていたのだが、次の「チビに一発」が始まると”もうダメ”って云う感じで、ピットへ移動。
「ジュディはパンク」になると、身体が言うことをききません。自然に暴れているのです。
こうなったら、ピット最前列で”ポゴ”するしかない。
そこからは、「Today Your Love , Tomorrow The World」まで飛び跳ねっぱなしだ。
大好きな「53番通り(53rd & 3rd)」もやってくれたしね。
ここで、チョット休憩。
メンバーをじっくり見回すと、ギターの人は見覚えがあるな。
誰だっけ?
あんなに身体の大きい人は?
そこから、頭の中は超高速回転。
え!The AdolescentsのベースSteve Sotoじゃないか!
ここで一気に「Mr.Moto」の謎が解けてくる。
そうだ、SteveはAgent Orangeのオリジナルメンバーだ。
”げっ!、カルフォルニア・パンクの生き証人が、ラモーンズの曲を楽しそうにやっている。”
なんかアメリカン・パンクの人脈って面白いな。
ドラマーは、D Generationだし。
そう考えただけでも、今日この場所にいる価値はものすごくデカい。
CJ Ramoneの新譜から2曲くらいやった他は、全曲、一緒に歌えるラモーンズだ。
「Pinhead」では”Gaba Gaba Hey”のプラカードが登場するし、勿論、「California Sun」もやった。
RAMONESのライブに比べると、曲と曲のインターバルがあったりして若干違和感を感じたりしたのだが、 最後にMotorheadの「R・A・M・O・N・E・S」で締めくくるところに、ファンと同じ目線のCJの心意気を感じた。
終演後に、楽屋に行ったら、CJに”そのRAMONES Tシャツいつ頃の?”なんて訊かれてしまった。
”1978年に買ったものだよ”って答えたら、その場にいたメンバー4人が””スゲー!”と素直に驚いてくれた。
やっぱり、彼等もRAMONESファンなんだ!
古くなったTシャツを着ていって良かった。
CREDIT: TAYLOW / the原爆オナニーズ